FOX放送中のシーズン22第1話「無自覚な差別(Guardians and Gladiators)」ネタバレ感想です。
ヘビーなシーズンプレミアは、米NBCでは2020年11月12日放送。
Black Lives Matter 運動に参加していた黒人容疑者から始まり、人種差別問題をストレートに取り上げました。
容赦ない現実を取り上げて、解決できない苦い結末もこの番組ならではですね。
↓今シーズンから、ガーランド警視正もOPに登場です。
Season 21 ➡️ Season 22. pic.twitter.com/Gt1bHUf9kF
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑 (@lawandordertv) November 13, 2020
↓このナレーションはずっと変わりません。
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簡単あらすじ
まずネタバレ概要です。
セントラルパークで白人女性が黒人男性を通報
➡レイプ被害者も見つかる
➡誤認逮捕
➡逮捕時の動画が投稿されて警察への非難が高まる
➡真犯人が見つかるが市民は警察&検察を信用できない
実際の事件に似たケースから始まりました。
逮捕されたのはトレーニング中の黒人男性ジェイボン
白人女性コリーンが子供を怖がらせたとしてジェイボンに抗議、警察に通報します。
ジェイボンは何もしていないと話しますが聞き入れられず、警官たちが到着。騒ぎが大きくなり、多くの通行人が動画を撮影し始めました。
If you say so... #SVU #SVU22 pic.twitter.com/IcTqIdkSLe
— Wolf Entertainment (@WolfEnt) November 13, 2020
さらにすぐ近くで子供が倒れている男性を発見します。
レイプ被害にあった男性でした。
ジェイボンを逮捕することになりますが、逮捕の根拠は
●コリーンの訴えのみ
●ジェイボンには令状が出ていたから
→BLM に関わったから、というだけでした。
検事補のカリシ(ピーター・スカナヴィーノ)は根拠が薄いとあきれていました。
オリビア(マリスカ・ハージティ)も、被害者を見つける前にコリーンが通報していたことは後から知ったと困っています。
Here we go, squad.
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑 (@lawandordertv) November 13, 2020
The season premiere of #SVU starts RIGHT NOW on @NBC. pic.twitter.com/5JBTWGTi2X
ジェイボンは運送会社で働く真面目な青年で、犯行時刻と見られる時間には、薬物克服のミーティングに出ていました。
負傷後、オキシコドンを使用することになったためで、スポンサーである弁護士も証言します。
後に新たな容疑者が浮かびますが、ジェイボンはもちろん協力せず、逆にNY市警を訴えました。
被害者は性的指向を隠していた真面目な医師エリック
昏睡状態が続くフィリップ・アキノ26歳。
家族は敬虔なカトリックでフィリピン系のようです。優秀な研修医で、コロナでER専属になっていました。
母親は知りませんでしたが、弟がゲイだったことをロリンズ(ケリー・ギディッシュ)とキャット(ジェイミー・グレイ・ハイダー)に話します。
エリックが行っていたというバーのオーナーは覚えていないと言いますが、交通カメラからエリックと一緒に店を出た男性を特定。
Friday the 13th in 2020...a mood: pic.twitter.com/YuvELCRQ24
— Wolf Entertainment (@WolfEnt) November 13, 2020
エリックの弟も “ストレートに見えるイケメン” で兄のタイプだと話します。
この男性は、公園でジェイボン逮捕の動画を撮り、投稿していたと分かります。
We all collectively eye rolled at that IG name, right? pic.twitter.com/8dTbFW4a5z
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑 (@lawandordertv) November 16, 2020
容疑者は “酔うと人が変わる” ジョー・マーフィ
上の動画で「市警は保身に走っている。警察の予算を打ち切れ」と過激な生配信をしていたジョー・マーフィ25歳、母親と同居。
他のSNSアカウントで突き止めた婚約者は「酔うと人が変わる。翌日、花束を持ってくる」と言っていましたからDV男なのでしょう。
被害者と面識はない、自分はゲイじゃないとウソの供述をし
→マスクを交換してDNAを調べ、エリックの下着についていたと伝えても
→突き飛ばしたら勝手に転んだ
など、この後も供述は二転三転します。
世間を舐め切った甘えた男ですが、バーのオーナーの依頼で弁護士がつき、軽罪で逃れようとします。
人種差別・不当逮捕で訴えられたNY市警
ジェイボンの訴えを後押ししているのは、もちろん市民による抗議。
逮捕の根拠が薄くてもルール通りに手続きをして釈放したわけですが、BLM と反発は無視できません。
■カーマイケル警視正×フィンの会話
カーマイケル警視正(デモア・バーンズ)の言葉がすべてでしょう。
父親も巡査部長だったそうで「当時は黒人としてその階級が上限」だったといいます。
Garland and Fin know how complicated it can be. pic.twitter.com/IdTbAT2V3I
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ジェイボンが白人だったら、白人女性のコリーンは通報したか? 逮捕したか? 人種偏見はなかったか?
フィン(アイス-T)の答えはもちろん「ベンソン警部が味方するのは被害者だけ」。
「時代は変わった」というカーマイケル警視正。フィンは「聞き飽きた」と言いますが、「今度は違う。まさに時代の分岐点だ。だが古い連中は簡単に変化を認めない」
「用心しろ。理由は関係ない。今は誰もが危険だ」と伝えます。
後にカーマイケル警視正はオリビアに「組織はいけにえを差し出す」と話しました。
■オリビアはIABの監査を受ける
厳しい現実に唸ったのはこの場面。
内務監査部(IAB)でジェイボン逮捕について聞かれます。↓面談を待っているオリビア。
Would you look at the time? The season premiere of #SVU starts in ONE HOUR on @NBC. pic.twitter.com/Lg3z5L5LZE
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑 (@lawandordertv) November 13, 2020
担当は、エド・タッカーが指導教官だったというカリー警部。黒人女性です。
明らかになった内容は
●SVUが到着したとき、すでにジェイボンは逮捕されていた。非協力的だったし、無実と分かるまで解放できなかった。
●2013年の事件で一度尋問している。黒人の連続レイプ犯を探していた。
●コリーンには虚偽告訴の前歴と元夫への接近禁止令があった。
➡ジェイボンのIDは調べたのに、訴えた白人女性のIDは調べていなかったと追及され
➡オリビアは自分の落ち度を認めます
そして、録画を止めてカリー警部が話した内容が
●警察官は2種類。
1つは差別を隠さない攻撃的な人、もう1つは無邪気な善人。
つまり、自らの差別心に気づかず、NY市警の構造的な差別に従うあなたのような人。
●オリビアは自分は差別主義者じゃない、黒人男性への虚偽告発が多いことも心得ているといいますが
「表面上はね。でも潜在意識は? この国で育った人の共通意識よ。
法執行機関の信用は失墜した。私たち一人ひとりが真剣に考えなければ信用を取り戻せない」
Time for some serious introspection. #SVU22 #SVU pic.twitter.com/UmgHPYjQ3K
— Wolf Entertainment (@WolfEnt) November 13, 2020
オリビアはカーマイケル警視正に「被害者しか見ていなかった」「何ができたか考え続けている」と話しました。
陪審員も警察を非難。ジョーを起訴できない
カーマイケル警視正は大陪審にはフィンを出席させます。白人女性より黒人男性のほうが穏便に進むでしょうから。
しかし陪審員の反応は厳しく、ジョーの大陪審なのにジェイボン逮捕について厳しい発言が相次ぎます。
焦りから、ついに警察 VS 検察も衝突。カリシは「世間は警察のアラ探しをしている」
This is not the courtroom confrontation we were expecting. 😱 #SVU pic.twitter.com/9sYnromVYu
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑 (@lawandordertv) November 13, 2020
フィン達も逮捕に疑問をもっていたけれどどうしようもなかったわけで、裁判所で大声で怒鳴り合いになってしまいました。
そこへ弁護士から「ジョーが証言する」と知らせが入ります。
ジョー・マーフィは、大陪審で性行為を認めますが暴行は否認。
「自分がバイだと知られたくなくて偽証をした。ジェイボン逮捕に抗議したから警察は自分を恨んでいた。誘導された。警察はウソつきだが私は違う」と証言し、なんと不起訴になりました。
カリシがいうように「追及されるほど同情されると分かっていた」。
オリビアは自宅で、ノアに動画について聞かれます。
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なぜ逮捕したの? ママはレイシストなの? 謝らないの? と聞かれ、答え(子供相手でもうやむやにしない)、ジェイボンに会いに行きます。
ジェイボンは薬物のことがばれて解雇されたそうで、話を聞こうとしません。検察はコリーンを虚偽告訴で起訴する方針だそうです。
世間が許さなくても私には取り組むべき課題があるというオリビアに、その通りだと言って走り去りました。
~~~~~感想~~~~~
●やり切れないあと味の悪さで、SVUならではです・・・。
ジョージ・フロイド事件が2020年5月。Black Lives Matter が盛り上がり、強く影響したなかでの放映でした。
そして先が見えないコロナ禍に不安だらけの時期。
カリー警部の発言は、こんな人がIABでいいのか😟と思ってしまします。だって警官はこの2種類しかいない、って断定しすぎじゃ?
でも、それだけ歴史的にも根深い問題で、これ以上見過ごせない大爆発の時期だったということでしょう。
厳しい言葉でしたが「一人一人が真剣に考えなくては」というのが最大のメッセージですね。
(後々、アジア系へのヘイトクライムがどう展開されるのかも気になってしまいました。)
●コリーンの事件は、犬にリードをつけるよう注意した黒人男性が通報された事件が下敷きですね。
コリーンは自分は「Karens」じゃないと言っていましたが、カレンは差別意識をもつ白人女性のことらしいです。
実際の事件では、女性は勤務先から人種差別を理由に解雇されていたと思います。
●性的指向をカミングアウトできない状況もからんでいました。宗教や人種的背景があることも事態を複雑にしています。
前回に引き続き、キャットがバイであることも家族には話せないというシーンがありました。
●事件は不起訴でおしまい、でしょうか。
「陪審員は今は市警を罰したがっている」というカリシの予想通り。
解決するには、ジョーが法廷で失言するか、エリックが回復するしかないと思っていましたから、被害者にとっては最悪の結末です。
ヒステリックに見える反応でも時代を作るうえでは必要な意識でしょうけど、正しい人たち(とそうあろうと努力したい人たち)が正当に評価されるといいですね。
フィンも前回、黒人男性を撃って訴えられているわけで、今後が気になります。
●最後にスピンオフ情報です。
「LAW & ORDER: ORGANIZED CRIME」はシーズン2決定、2021秋スタートだそうです🙌
「LAW & ORDER: FOR THE DEFENSE」もこの秋スタートだそうな✨
「SVU」はシーズン23ですね(S24まで決まっています)。
なんと米NBCでは、毎週木曜は「LAW & ORDER」の日。3時間続けて3本放送って、びっくりです😳 テレビ史に残る快挙だと思いますが、さすがに重いかなぁ~~
(と思ったら既に水曜はシカゴ3本の日だったのですね)
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