カノンの海外ドラマ漂流記

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ドラマ「ライン・オブ・デューティ」シーズン3 Ep1 感想 ~ 冒頭から衝撃。警官が追い詰めた犯人を射殺します! Netflix

英国BBC発の骨太クライムドラマ「Line of Duty」、シーズン3は第1話からエキサイティング! というか、疲れます・・・。

まずは、シリアスに定番のスリーショットから。

 
 
 
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左から、スティーブ・アーノット巡査部長(マーティン・コムストン)、テッド・ヘイスティングス警視(エイドリアン・ダンバー)、ケイト・フレミング巡査(ヴィッキー・マクルーア)。 

不正や汚職と闘うAC-12(汚職特捜班)の物語です。詳しいキャスト紹介はこちらへどうぞ。

新たな事件に加え、シーズン1&2からの持ち越し案件も気になりますね!

 2016年にBBC TWOで放映されたシーズン3全6話です。意外な方向に広がるストーリーになってまして、このダイナミックな構造にしびれるシーズンでした。

 

  

今回のキーパーソンは、武装警察のダニー・ウォルドロン巡査部長

 

第1話「Monsters」は緊迫した武装警察の出動から始まります。

犯罪組織の危険人物を確保するという大掛かりな作戦で、そのなかで、ダニー・ウォルドロンが指揮するチームがこの計4名。

左からロッド・ケネディ巡査、班長のダニー・ウォルドロン巡査部長、ハリ・ベインズ巡査、ジャッキー・ブリックフォード巡査。

 

 

今回、AC-12の捜査対象になるのはダニー・ウォルドロンです。

演じるダニエル・メイズは、1978年、英国エセックス州生まれ。名門ロイヤル・アカデミー・オブ・ドラマティック・アートRADA卒業。舞台や映画・ドラマで幅広く活躍しているもよう。きっとクセのある役をやらせたらピカイチの性格俳優ではないでしょうか。

 

そして彼らのチーム、武装警察というのは、アメドラのSWATみたいなチームなのかな。通常、銃器を携帯しないイギリス警察で、フル装備で凶悪犯に対応する特別部隊のようです。

 

冒頭から、犯人を追いつめるライン・オブ・デューティらしからぬ?緊迫のアクション銃撃戦か!と思ったらそうはなりませんで、一方的な射殺でした。追いつめた犯人をダニーが射殺し、追いついたチームの全員にも壁に向かって銃を撃たせ、向かってきたから正当防衛で殺した、と口裏を合わせます。

 

そんなの通じるわけないでしょ! と思うけど、実は明らかな証拠はない。法的におかしいという行動も証明できません。

発砲→射殺にいたったわけですから、当然、正当だったかどうかの調査が行われます。AC-12もチーム全員に聞き取り調査を行います。

 

で、いきなり、10分以上、ダニーの面談です。我を忘れて見入ってしまう手に汗握るインタビューでした。銃撃➡インタビューと見せ場が続いて息つく暇もありません。

 

このシーンでは、ダニーがいかに頭が良く、法律の知識が豊富で、喋りだしたらとまらない性格か、攻撃的でエキセントリックで、間違いを認めない頑固な性格かということがよく分かります。ダニエル・メイズの迫力に気圧されました。

 

さらに、観察力も並外れています

インタビュールームに入ってすぐ座ったのに、自分の後ろの描写を事細かに行ってみせました。フロアに入って着席するまできっと1分くらい? 一瞬で部屋の構造やどのデスクに男性・女性が何人座っているかなどを把握し、具体的に話し、射殺現場でも自分の観察力・認識力がいかに優れていたかを主張、主張、主張・・・。

疲れますよ、こういう人が近くにいたら・・・。

 

さらに毎日ジョギングするシーンが映されるのですが、ショギングというより延々と全力疾走をしては吐いてしまうという走りっぷりで、どんだけ自分を追いつめるんだか。親しくなりかけた女性の電話を断ってまで、何かに取りつかれているみたいでした。

 

内部調査のポイント、そしてチームメンバーにも秘密あり

 

AC-12の面々も辟易していたダニーのインタビュー。チーム全員の聞き取りの主なポイントは

●ダニーの射撃残渣

被疑者が一発撃ったことになっているが、ダニーからも濃度の高い同じ射撃残渣が検出された。銃は被疑者のもの。➡ダニーは安全確保のために銃に触れたからだと主張。

●遺体から離れた地点で射撃残渣がでた

不自然➡ダニーは、発砲するまでに被疑者が動いたからだと主張。

●頭部に3発

普通は胸に連続2発では?➡危険があったから撃ったと主張。

●銃声に間隔がある

付近住民は、最初の発砲の後、遅れて複数の銃声を聞いた➡他のメンバーはわずかに遅れて撃った。かなり間隔があると思ったのはよくある聞き間違いだと主張。

●ハリだけが撃たなかった

実は、メンバーのひとり、ハリだけは撃っていません。

そこでケイトがダニーのチームに潜入、スティーブとドットことマシュー・コッタン(クレイグ・パーキンソン)はハリの自宅を訪問してじわじわと証言をすすめるのでした。

ハリは明らかに動揺して見えました。

スティーブとドットに「俺はダニーを止めたんだ。でも被疑者を逃がすわけにはいかない」と口走ってしまいます。でも結局、正式な供述はとれませんでした。

ハリを見張り、時に「一人でも裏切れば全員が捕まる」と脅すダニー。

 

ですが、ハリにも秘密があるようで、届けられた使い捨て携帯に「時が来た」というメッセージが届けられます。気になりますね。

 

ダニーが犯したもう一つの殺人。そして最後の殺人は!

 

ダニーが気になるスティーブは、時間外にも接触しようとします。この時点で、何か理由があって撃ったのではないかと思っているようです。

実際、ダニーは「すべて終わったら報いを受ける。悲劇になると分かっていても止まれない」とスティーブに話しました。

 

殺された被疑者の名前はロナン・マーフィ。その葬儀の参列者を監視していたダニーは、そのなかの一人を殺します! しかも泣きながら。

今度は、証拠が残らないよう鑑識の服を着て、相手を全裸にして拷問して殺すという計画的なもの。殺されたのはライナス・マーフィ、ロナンは甥でした。

 

 

追いつめられて苦しくて、でも殺さなくてはいけない何か理由があるようです。親の仇か復讐か、と思ってしまいますよね。

何人もの名前が書かれたリストをスティーブ宛ての封筒に入れたダニーでした。リストのなかで、ロナン、ライナス・マーフィの名前を消していました。

なお、ダニーはライナスが飼っていた犬を引き取ってましたからね。面倒な性格だけど悪い人ではないのでしょう。

 

ところで、武装警察としてはまだまだのケイト。ダニーには足手まといと思われていますが、粘ります。

 
 
 
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そして出動したドラッグハウスで・・・何と、ダニーが死んでしまうことに! 

 

現場にいたのは、ハリ、ロッド、ジャッキーというダニーのチームのみ。銃声を聞いて駆け付けたケイトが必死で応急処置をしようとしたところ、ダニーが何かを伝えようとしていました。誤射なのか暴発なのか誰かが撃ったのか・・・。明らかに殺されたとしか思えません。

 

ビックリの展開です。

しかしダニー役ダニエル・メイズは、この1エピソードのみでBAFTA(英国アカデミー賞)助演男優賞にノミネートされたくらいですから、その熱演ぶりと迫力はお分かりいただけるかと。

 

私も見直してみて、1話のみでの退場だったとは意外でした。それくらい強い強い印象を残しました。

不器用で、何かに追いつめられたかのような精神状態の人物を演じ切ったダニエル・メイズのエピソード。

次回、そしてその後・・・とシーズン3は目まぐるしく展開します!

 

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