カノンの海外ドラマ漂流記

気ままな海外ドラマ中心のブログです。ネタバレ記事中心です。

映画「ビリーブ 未来への大逆転」感想 ~ 理想のパートナーシップが力強いルース・ベイダー・ギンズバーグの映画 Netflix

「RBG  最強の85才」がNetflixで12月23日配信ということで、まず「ビリーブ 未来への大逆転」(On The Basis Of Sex)から。

 
 
 
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「50年前のアメリカで、弁護士ルース・ギンズバーグが〈100%負ける〉はずの裁判に挑んだ爽快な逆転劇とは――」(公式サイトより)

 

今年亡くなった RBG ことルース・ベイダー・ギンズバーグの実話に基づいた作品です。

アメリカと法の精神を訴えかける秀作だと思います。近年、ここまで尊敬され、惜しまれた人はそういないのではないでしょうか。

「RBG  最強の85才」を楽しみにしつつ、感想をまとめます。

 

フェリシティ・ジョーンズ×アーミー・ハマーのリレーションシップが最高

 
 
 
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2018年公開の「ビリーブ 未来への大逆転」、原題の On The Basis Of Sex とは、性別に基づいて、というニュアンスでしょうか。

正確な意味は分かりませんが、社会的・法的な性差別(あるいは区別)のことであり、異なる性の関係性のあり方を問いかけるフレーズでもあると思います。

 

この、理想の夫が素晴らしい! マーティン・ギンズバーグ(アーミー・ハマー)です。

 
 
 
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最初から女性蔑視という考えと無縁の人なのでしょう。自然に無条件に全力で妻をサポートします。この人の育った家庭の教育方針こそ知りたいと思いましたよ。

 

大学で出会って結婚した妻ルース・ベイダー・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)。 

2人の子供を育てながらハーバード・ロースクールに通う夫婦ですが、夫マーティンがガンになり厳しい闘病生活を強いられます。

その間、夫の授業にも出てレポートを手伝うルース。子供は泣いているのに弱音をはくことはありませんでした。

 

でも、とてもリアルで共感できるんです。

ありがちな、ひたすら闘う女性でも悲しんでばかりいる女性でもありません。当時(1950年代)すべてに男性優先が当たり前の社会でしたから、やむなく受け入れることも多かった。

 

大学に希望を出しても、就職の面接を受けても却下されるばかり。そこでいきなり大声で反論して最初からヒーローになったわけではないんです。

当時の一般常識のなかで出来ることから始め、経験を積む過程がリアルでした

 
 
 
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丁寧な脚本と、強い意志を育て続ける女性法律家の成長物語です。反発するだけ、主張するだけでなく、社会に通用するまで闘うにはパワーとテクニックが必要。

最も大きなサポートをしたのが夫マーティンでしたね。

 

もちろん、人権のために活動してきた先駆者たちもいて、RBGも最初から判事だったわけでなく、迷ったり試行錯誤を続けながらの人生でした。

映画では、性差別撤廃のための画期的な判例となった裁判が描かれます。

 

この2人が出会えたことに、心から感謝したいです。

いま現在の価値観にも大きな影響を与えたので。

 

「LAW & ORDER」のサム・ウォーターストンも出演!

 
 
 
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個人的に嬉しかったのはこのお方! ハーバード・ロースクールの学長役で、サム・ウォーターストンです。

 

全編大好きだったドラマ「LAW & ORDER」。放映時のキャッチコピーは確か「これを見ずしてアメリカは語れない」だったような記憶があります。(勘違いだったらスルーしてください。秀逸なコピーだと思い込んでいるもので・・・。)

 

「LAW & ORDER」本家20シーズン中16シーズン300以上のエピソードに出演。アメリカの法と正義の代名詞のような人、検察のジャック・マッコイ役でした。

今回は、女性の地位を認めない旧弊な頑固者の役ですが、それでも司法制度へのリスペクトあってのキャスティングだったのではないでしょうか。

 

ルース&マーティン・ギンズバーグ

お2人についてまとめおきます。(主に映画の公式サイトとWikipediaより)

ルース・ベイダー・ギンズバーグ Ruth Bader Ginsburg
1933年3月15日 NYブルックリンの貧しい生まれ。コーネル大学卒業、ハーバード・ロースクールからコロンビア大学のロースクールを卒業。

1954年 コーネル大学で出会ったマーティンと結婚。

卒業後も女性であるという理由で弁護士事務所や裁判所には就職できず。大学教授を続けながら性差別と闘う法律家として活躍。

1980年 カーター大統領により控訴裁判所の裁判官に任命される。

1993年 クリントン大統領により最高裁判事に任命される。

2020年9月18日 すい臓がんの合併症により死去。87歳。

マーティン・デヴィッド・ギンズバーグ Martin David Ginsburg

1932年6月10日 NYブルックリン生まれ、ロングアイランド育ち。父親はデパートのエグゼクティブ。コーネル大学、ハーバード・ロースクール卒業。 

途中、陸軍予備役として軍隊経験あり。ハーバード・ロースクール時代に精巣ガンの治療、寛解。

税法のスペシャリストとして弁護士として活躍。大学教授も続けた。

2010年6月27日 がんのため死去。78歳。

 

↓RBGの葬儀です。遺体は最高裁判所に安置されました。

多くの一般国民が悼み、レースの襟をウインドウに飾ったり身に着ける様子は大きく報道されましたね。

この映画では、最後に本人が出演しています。 

 
 
 
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理想をあきらめないのがアメリカですから。理想を定めたら、論理的に検証し、徹底して研究して進み続ける。

そんな信念とパワーの美しさを感じる映画でした。

 

↓女性の権利のための活動が勢いを増した時代。60~70年代ファッションも見どころです♪

 
 
 
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