カノンの海外ドラマ漂流記

気ままな海外ドラマ中心のブログです。ネタバレ記事中心です。

Netflix映画「レベッカ」感想 ~ 注目は後半戦! 主人公が成長?変貌するストーリーでした

ようやく見ましたアーミー・ハマー×リリー・ジェームズ版「レベッカ」。

怖い映画というか、怖いラブストーリーでした。

 
 
 
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~~~簡単感想~~~

 

ヒッチコックを見たのは大昔、デュ・モーリアの原作を読んだのははるか昔・・・こんな不真面目な状態でございますが、個人のネタバレ感想文なのでご容赦を。

ヒッチコック版と同じく「またマンダレーへ行く夢を見た」という有名な独白で始まります。

(↑Amazon Primeにありました。飛びます)

 

でも刷り込みってすごいですね。ヒッチコック調のドキドキスリラーサスペンスを期待しているとちょっとずつ違う。あ、そういう解釈ね、と思ってしまったり、ああ、なんか違うと我に帰ったり、そうだったのか! と膝を打ったり・・・忙しい。

 

リメイクって、こういう見方をされるから大変ですね。いや、見てる方も考えがアッチコッチに飛んで忙しいのですが、そういうの忘れて没頭できると大成功なのでしょう

今回はそこまでとは申しませんが、でも充分素敵な作品でした♡ 主演の二人とも大好きなんで。

 
 
 
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ヒッチコックの主人公はあくまでか弱く繊細で健気なうら若き女性のままだったと思います。(繰り返しますが、遠い昔の記憶なので的外れでもスルーしてください)

 

対して、リリー・ジェームズ、そんな弱っちぃタイプには見えません。これはもう個人のイメージだから仕方ありません。

いえ、もちろん見事な演技力で純真なお嬢さんになりきってるわけですが、後半、ぐんぐん強くなります。しっかり者の賢い妻として成長していく物語に重点を置いたのではないでしょうか

 

サスペンスという点では有名すぎる歴史的名作が本家ですから、ネタバレ前提ですものね。謎解きとは違う要素を考えさせられるラストシーンが印象的でした。最後はさらに突き抜けた感じでしたよ。

ヒッチコックを観た人には賛否両論あると思いますが、ネタバレ感想です。

 

 

キャストを通してストーリー紹介です

 

■主人公はリリー・ジェームズ
 
 
 
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ご存知の通り、名前はありません。最初から最後まで明かされない、原作でもずっと「わたし」だったはず。結婚してド・ウィンター夫人と呼ばれるようになります。ヒッチコック版ではジョーン・フォンテインが可憐に儚く美しく演じました。

 

高級リゾートで有閑マダムのお世話をしていたところ名門の大富豪に見初められ、結婚することになります。で、暮らし始めたお屋敷で亡くなった先妻レベッカの影に苦しめられる・・・というのが前半。

 

前半はもう可愛いのなんの! とってもリッチな古き良き時代のモンテカルロで当時のファッションがとってもキュート。お嬢さん風のセーターとワイドパンツにベレー帽とか、たいそうヨーロピアンな香りがワクワクしますね。

 
 
 
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しかし結婚後、夫のお屋敷マンダレーでは孤独で辛い日々を過ごすわけです。

夫は構ってくれない。家を取り仕切るのはレベッカ付きだった家政婦長(という言い方でいいのか不明)ダンヴァース夫人で新参者が気に入らない。身分違いの結婚なうえ、うら若い奥さんは(20代前半の設定でしょうか)ことごとく意地悪されます

 

ただねえ・・・やっぱりリリー・ジェームズが反撃しない? って?マークがついちゃうんです。ごめんなさい。

 
 
 
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 ↑は大恥かかされる仮面舞踏会のシーン。

 
 
 
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 ↑ダンヴァース夫人と。

これは鏡の前のシーンですが、意地悪され続けて自信喪失して絶望して窓から飛び降りそうになる有名なシーンはそのままの構図で再現されます。飛び降りそうな女性には見えなかったけど。監督さん、精神的に追いつめられる様をいろんなヴィジュアルで見せてはくれるんですけど・・・。

 

 

■マキシム(マックス)・ド・ウィンター氏(アーミー・ハマー)

(最初は)素敵な旦那様。 

 
 
 
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ハネムーンではとっても優しかったのに、お家に帰ったら(日常に戻ったら)そりゃ忙しくもなります。領地の管理とか。

四六時中、妻の相手をできないのは当然でしょうが、と言いたくなるのはこちらも年を取ったからでしょうか・・・。

 

レベッカのことを聞くと急に機嫌が悪くなります。かんしゃくが有名だと言われてましたが、確かに感情の起伏が激しく短気、優雅な紳士に見えてある意味子供っぽいところ、成熟していない面があります。

この幾つになってもお坊ちゃん風味は、ヒッチコック版のローレンス・オリヴィエより馴染みやすかったです。(しかも夢遊病だった。)

 

これはアーミー・ハマー云々というより、ローレンス・オリヴィエはあまりに偉大な俳優という印象が強すぎるせいかもしれません。たまにかんしゃくを起こすけど立派なお金持ちの紳士、という感じでしたよね。たしか。

 
 
 
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ところで、わたくしが大の楽しみにしていたキーリー・ホーズはアーミー・ハマーの姉役でした! 

明るくて鷹揚でオープンな女性で、リリー・ジェームズにも普通に友好的に接してくれるお気に入りのキャラクターです。

 
 
 
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ヒッチコック版には登場しなかった母上も登場しましたね。つまり、レベッカがいかに好かれていたか、カリスマ的だったかをより印象づける手法でした。

 

が、マックスは後半ピンチに陥ります! 

 
 
 
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とある事件を通して、登場人物それぞれの立場も考え方も大きく変わっていくことになるのでした。

 

 

■ダンヴァース夫人(クリスティン・スコット・トーマス)

さて、もう一人のキーパーソンです!

 
 
 
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1960年、イングランド・コーンウォール州生まれ。「フォー・ウェディング」「イングリッシュ・ペイシェント」など名作に数多く出演している名優ですね。デイムの称号を授与されています。

 

さすがの存在感で、怪しくて、でも有無を言わさない貫禄があって飽きさせません。

ヒッチコック版がホラーに近いサイコスリラー的・心理的怖さだとしたら、こちらは現実的で油断のならない威圧感で畏怖させる怖さでした。

 

主人公が変わって行くのは後半戦!

 

 
 
 
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仲睦まじかった二人に大事件です。

以下、思いっきりネタバレしてます

 

 

レベッカを殺したのはマックスでした。海から遺体があがって裁判が行われます。

 

レベッカは周囲をだましていた悪い女で男性関係も派手だった、魅力的だけど人間としてひどい女性だった、マックスは家名を汚すから離婚できなかった・・・という時代のようです。で、レベッカの最後の恋人がいとこ(サム・ライリー)なんですが、口ひげで怪しい役にぴったりでした。

 

ここからがヒッチコック版と(たぶん)大きく異なる部分で、リリー・ジェームズが頑張ります。

 
 
 
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確かヒッチコック版では、妻は裁判中に気絶するし、警察はマックスに好意的だったはず。でもNetflix版では、マックスは殺人罪一歩手前で留置場に収監されてしまいます。

 

問題は、殺人か自殺か。

一人で海に出て行って自殺した可能性があると立証できればマックスは無罪になり得ます

 

ということで、死の直前にレベッカが偽名で診察を受けた医師を探すことになるのですが、何とリリー・ジェームズが一人で忍び込んでカルテを奪うという活躍ぶり! 探偵か? 同時に「エイリアニスト」を見ていたもんで、(時代は少し違いますが)女性探偵かと思いました。

 

この強くて行動的な女性に変わっていく過程を描きたかったのでしょうね。夫のピンチに立ち上がり、強くなっていく成長譚になったのでした。

ちなみにレベッカは末期がんでマックスに引き金を引かせたというのが真相でした。事件としては自殺と結論づけられます

 

マックスはリリー・ジェームズについて、「僕が愛したのは純粋でか弱い女性だったのに」と言っていましたからリリー・ジェームズの変貌ぶりははまってました。マックスって、つまり、弱い女性が好きなのに強い女性に依存してしまうタイプ、でしょうか。

rebecca 2020


そして有名なマンダレー炎上。火をつけたダンヴァース夫人は海に飛び込むのでした。

 

ダンヴァース夫人とレベッカの関係は相変わらず曖昧ですが、わたくし、ヒッチコック版を見た時、一瞬、母娘なのかなあと思ったんです。そんな記憶がよみがえりました。

 

ダンヴァースの姓を偽名に使っていたこともあり。ダンヴァース夫人はレベッカに心酔しているだけでなく、実は親として守りたかったんじゃないかと。あるいは、崇めすぎて理想の娘(=分身)のように思いこんでしまったんじゃないかと。だから(疑似)親子でマンダレーを支配しなくてはいけないと。ええ、真相は分かりません。

 

~~~まとめ感想~~~

 

そしてマックスとリリー・ジェームズの関係は明らかに変わりましたね。(名前が無いもんだから最後までリリー・ジェームズになってしまった)。

 
 
 
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マンダレーを失ったド・ウィンター夫妻は旅を続けます。

 

あきらめていた夫を救った妻が主導権を握ったのは明白。妻を頼りにしてしまう、実は子供っぽいマックスは、だからレベッカにつけ入られたのだと感じてしまいました

 

リリー・ジェームズ、今やレベッカのように煙草をくゆらせ、気だるそうに寛いでおります。ひょっとしてこのままレベッカのようになるのかと思わせるラストでした。だから名前を出さなかったというのは妄想が過ぎるかな、と思いますが。

 

ヒッチコック版では、火事のあと夫婦の絆を取り戻したような希望のある終わり方だった気がします。

が、2020版では再度、冒頭の「またマンダレーへ行く夢を見た」という独白が繰り返されます。(ヒッチコック版でもあったかどうかは覚えていません)

拠り所だったマンダレーのお屋敷を失い、マックスは怠惰になってしまったように見えました。今後はずっと妻を頼りに生きていくのかもしれません。弱い男でしたね。

 

 

うん、やっぱりリリー・ジェームズはレベッカなんだな。と思ってしまうラストでした。

これは賛否両論あるでしょうね。ヒッチコック的な恐怖を描いたわけでなく、むしろ怖いラブストーリー。ひねり具合は嫌いじゃないですが、別作品と思ったほうがよさそうです。

 

あ、ツイッターで面白い投稿がありました。ロケ場所が「エノラ・ホームズ」と同じだったと発見した人がいました。

リリー・ジェームズ